被相続人が改姓しているときの登記名義人の特定
不動産共有者の一人に相続が発生すると共有持分の移転登記をすることになります。被相続人の氏名が甲野太郎だとすると、登記の目的は「甲野太郎持分全部移転」とし「(被相続人 甲野太郎)」と特定します。しかし、被相続人の死亡時には「乙野太郎」と改姓していたとすれば、どうなるでしょうか。実務上、登記申請書にはやはり「甲野太郎持分全部移転」「(被相続人 甲野太郎)」と記載せざるを得ないと思います。被相続人の氏名変更登記を要しないとするのが相続登記の実務の取扱いである以上、「甲野太郎」を申請時点での登記名義人とせざるを得ないからです。なお、添付書類としては被相続人と登記名義人の同一性を証する書面が当然に必要となります。