元監督人の権限の範囲
後見監督人として、被後見人死亡後の後見人のなすべき事務をどこまで監督するか、ということは解釈の分かれる問題です。民法870条及び871条の職務はともかくとして、それ以外については個別に考えるしかないように思われます。例えば遺産分割未了の間の元後見人から相続人への証書等の引渡しについて、元監督人としてどこまで関与すべきか、という問題があります。
家庭裁判所からは、死亡の報告や後見終了登記申請についてはもちろん指導がありますが、その後の引継については、さほど詳細な報告を求められることがないように感じます。言ってしまえば、「元後見人と元監督人がそれぞれの責任において個別かつ適切に処理してくれればよい」と扱われているような印象です。