司法書士田島掌のブログ

2014年07月17日

親族後見人と親族相盗例

登記を中心とした実務誌「登記研究」796号の巻頭に「成年後見制度の現状と問題点」という特集記事があります。実務上重要な指摘がいくつもありますが、そのうちの一つに親族相盗例(刑法251条、255条、244条1項)の適用の問題があります。

この記事によると平成18年頃までは、親族後見人が被後見人の財産を使い込んだような場合「業務上横領罪が成立するが親族相盗例の適用があり刑は免除される」という解釈が一般的であり、起訴されることはなかったようです。しかしある事件で「後見人は、親族であっても、家庭裁判所から任命された公職ともいうべき地位にあるのだから、親族相盗例の適用はない」との理由から親族後見人に実刑判決があり、それ以降、親族後見人の使い込みを業務上横領として起訴する例が続出しているそうです。

なお、後見人の不正防止策としては、後見支援信託の仕組みも平成24年から利用されています。

テイハン「登記研究」
http://www.teihan.co.jp/new/token.htm

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