設定者でない者の印鑑証明書
債務者ではない物上保証人が担保提供する担保権設定の登記のご依頼をいただくときに、金融機関窓口が登記用に債務者の印鑑証明書を用意していることがあります。この印鑑証明書は、担保権設定の登記に添付しませんが、「登記に必要」とお考えの担当者もおられるようです。ただ、債務者の住所氏名は登記事項になりますので、「原因証明情報の記載事項をチェックする資料になる」という点では、有用性もあります。
2014年02月28日
債務者ではない物上保証人が担保提供する担保権設定の登記のご依頼をいただくときに、金融機関窓口が登記用に債務者の印鑑証明書を用意していることがあります。この印鑑証明書は、担保権設定の登記に添付しませんが、「登記に必要」とお考えの担当者もおられるようです。ただ、債務者の住所氏名は登記事項になりますので、「原因証明情報の記載事項をチェックする資料になる」という点では、有用性もあります。
2014年02月27日
土地の取得時効と土地所有者の相続登記について、新日本法規出版「事例式不動産登記申請マニュアル」1197頁を参考に整理してみました。自分用メモです。
(1) 時効期間中に土地所有者に相続が開始したが、相続登記がなされていない場合
→あえて相続登記をするまでもなく被相続人から時効取得者へ移転登記
(2) 時効期間開始前に(起算日前に)相続が開始していた場合
→相続登記ををしたうえで相続人から時効取得者へ移転登記(登研455-89)
(3) 時効期間経過後に(時効完成後に)相続が開始した場合
→相続登記をすべきでない(相続財産とならないから)
(4) 時効期間経過後に(時効完成後に)相続が開始し相続登記がされた場合
→本来は相続登記の錯誤抹消をし、被相続人から時効取得者へ移転登記すべき
→ただし、抹消せずに相続人を義務者として時効取得者へ移転登記も許されると
解される
(登研401-159、昭和37年3月8日民甲638)
(5) 時効期間中に土地所有者に相続が開始し、相続登記がされた場合
→相続登記を抹消せずに相続人を義務者として時効取得者へ移転登記すれば
よい
新日本法規出版「事例式不動産登記申請マニュアル」
http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_0443_0_0.html?hb=1&bn=1
2014年02月26日
中日本総合信用株式会社が本店移転しました。自分用メモです。
http://www.nakasou.co.jp/company.html
2014年02月25日
登記先例では昭和28年8月10日民甲1392号で「共同相続登記後の遺産分割協議による所有権移転登記の申請は、関係当事者の共同申請による(要旨)」があり、これが登記実務の基本的取り扱いとなっているようです。
時効取得を原因とする所有権の登記も、実体法上は原始取得ですが登記は「移転登記によるべき」とするのが登記実務です(明治44年6月22日民414号、「民事訴訟と不動産登記一問一答」青山雅明著p.94)。
遺産分割による移転も時効取得による移転も、根底には「実体に符合した有効な登記がいったんされたときは、たとえ事後に実体法上の権利変動があったとしても、公示の観点から簡単には抹消したり更正はできない」という考え方があるような気もします。
2014年02月24日
ある掲示板で「法定相続後の遺産分割協議で所有権更正登記」はできるかどうかという議論がありました。数人の共同相続人が法定相続分に基づく所有権登記をしたあとに遺産分割協議が成立して、共同相続人の一人が単独で取得することが合意された、というケースです。肯定否定の両論がありました。
否定説は「更正登記ではなく遺産分割による持分移転登記をすべき」という立場です。その主な理由は、法定相続の登記の時点では登記と実体が符合しており「登記時点以前に実体法上の誤りがある」場合におこなうべき更正登記をすることは、遺産分割の効力遡及の効果を考慮したとしても困難であること、ということです。なお、遺産分割によって単独の取得者となった者の持分の登記は、すくなくとも法定相続分の限度において実体と符合した有効な登記ですから、相続登記自体を抹消することも困難です。
愛知県司法書士会主催の「合同会社を中心とした法人全般の比較」と題する研修に出席しました。講師は京都司法書士会の内藤卓先生です。会場は満席で、映像による臨時受講会場が設けられるほどでした。
2014年02月21日
死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求に関する法務省入国管理局の案内頁です。平成24年7月9日の外国人登録法廃止以降の手続きについて説明されています。自分用メモです。
法務省入国管理局
「死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求について」
http://www.immi-moj.go.jp/info/120628_01.html
2014年02月19日
A、B各2分の1共有の土地について、共有物分割(民法256条1項)を登記原因としてB持分全部をAに移転登記することができます。結果としてその土地はA単有となります。このような説明をすると「共有物『分割』なのにどうして単独所有の不動産になるのか」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、共有物分割とは広く「共有関係の解消をすること」と解されています。AがBに価格賠償等をしてB持分の移転を受けることも、共有物分割の一つの形です。
2014年02月17日
平成26年4月1日以降に郵便料金が改訂になります。あわせて切手やレターパックも新しい種類の金額のものが発行されます。新しい種類の切手等は、レターパックを除き3月3日から発売されます。レターパックの発売日は3月24日です。
日本郵便
「新料額の普通切手及び郵便葉書等の発行日のお知らせ」
http://www.post.japanpost.jp/notification/productinformation/2014/0203_01.html
2014年02月14日
このブログの2014年1月16日の続きです。
デスクワークのピットフォール(抜け出せなくなった思い込み)を回避するために、「文字数を数える」という手法を使うことがあります。長く複雑な地名や団体名あるいは一連の文言を正確に移記しなくてはならないときに、移記した文字を一文字ごとに検証するのに加えて、全体の文字数を数えてみる、という方法です。単純ですが、「これで一言一句間違いない」というピットフォールにはまってしまっていないかどうかを、自己検証するには有効です。
2014年02月13日
持分会社(合同会社、合名会社、合資会社)には、休眠会社のみなし解散の制度はありません。会社法472条には「株式会社であって」という要件があるからです。登記実務上も、持分会社の社員には株式会社のような役員任期がないため、「定期的な登記申請をする」という前提がなく、「休眠している」とかどうかが、登記簿上判明しないからです(参考:青山修著/民事法研究会刊「持分会社の登記実務」p.245)。
(休眠会社のみなし解散)
第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。
2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。
民事法研究会「持分会社の登記実務」
http://www.minjiho.com/shop/shopdetail.html?brandcode=
012002000003&search=%BB%FD%CA%AC%B2%
F1%BC%D2%A4%CE%C5%D0%B5%AD&sort=
2014年02月12日
不動産登記法の旧法の条文を公開しているサイトがあります。自分用メモです。
2014年02月10日
農業協同組合が登記権利者となる不動産登記申請をする場合、登記の内容によっては登録免許税法が非課税となる場合があります。注意が必要です。
登録免許税法
別表第二 非課税法人の表(第四条、第五条関係)
二十四 農業協同組合及び農業協同組合連合会農業協同組合法一 農業倉庫業法(大正六年法律第十五号)第一条(農業倉庫業者)に規定する農業倉庫業者若しくは同法第十九条第一項(連合農業倉庫業者)に規定する連合農業倉庫業者である農業協同組合若しくは農業協同組合連合会の農業倉庫若しくは連合農業倉庫の所有権の取得登記又はこれらの倉庫の敷地の用に供する土地の権利の取得登記
二 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十一条(公的医療機関)に規定する病院若しくは診療所、介護保険法第八条第二十七項(定義)に規定する介護老人保健施設若しくは老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の五(特別養護老人ホーム)に規定する特別養護老人ホームの用に供する建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記
2014年02月06日
名古屋法務局では、商業法人登記申請における添付書類として相続を証する書面を提出する場合「不動産登記申請の場合と異なり、相続関係説明図による原本還付は認められず、全書類について写しを添付する方法による原本還付」をする取り扱い(平成24年12月5日付愛知県司法書士会速報第734号)なので、注意が必要です。自分用メモです。
2014年02月05日
下記の通達が発出されました。自分用メモです。
・租税特別措置法第80条第3項の規定に基づく登録免許税の軽減に係る証明書の様式について(依命通知)
〔平成26年1月17日付法務省民商第3号〕
2014年02月04日
2013年7月19日のこのブログの記事の続きです。
書面申請の場合は法務局から「事前通知書(不動産登記準則別記第55号様式)」が登記義務者に届きます。申出するときは発送の日から原則として2週間以内に登記所に持参し、または返送することが必要です。なお、法務局からの事前通知書に返信用封筒や切手は同封されません。
2014年02月03日
司法書士の実務誌「市民と法」85号の特集は「相続」です。登記、裁判での相続の実務について、多岐にわたる論点で解説がされており、たいへん充実した内容です。
たとえば「可分債権は、相続開始とともに、法律上当然に分割され、各共同相続人はその相続分に応じて権利を承継し、その権利を行使することができる」(最判昭29・4・8民集8巻4号819頁)ことの理論的帰結として「預金債権が遺産分割の対象となる『遺産』の範囲に含まれない」との原則論と、遺産分割調停・審判における預金債権の取り扱いの実情を解説した流通経済大学教授・弁護士西島良尚先生の記事「相続手続の実務上の留意点」など、たいへん参考になります。なお、ここでは「遺産分割審判においては、共同相続人全員が、預貯金も遺産分割の対象とする旨の同意をしてはじめて可能だとされている」とする見解等が示されています。
民事法研究会「市民と法」
http://www.minjiho.com/shopdetail/000000000681/