順位変更による失効
登記実務誌「登記研究」782号「実務の視点」の記事104頁以下に、昭和46年12月27日民三第960号の解説が掲載されています。この先例は「順位の変更にかかる抵当権に関してされている順位譲渡等の登記は、順位の変更によりその意義を失うこととなる場合であっても、これを職権で抹消するのは相当でない」という趣旨です。
解説では、登記記録を形式上に見て順位譲渡等の意義が失われている場合であっても、当事者間では実体上その効力が認められることがありうるとしています。そうすると、当事者間で順位譲渡等を失効させる意思表示があってはじめてその効力が確定的に失われるのであるから、登記の抹消は職権ではなく共同申請によるべきである、と説明しています。その登記原因は「順位変更による失効」とすべきとされています。
なお、上記の取扱いは、仮に順位変更登記申請の登記原因証明情報に「従来の順位譲渡等を失効させる」旨の記載がある場合であっても同じである、とされています。
テイハン「登記研究」
http://www.teihan.co.jp/new/token.htm