オーディオの「対策」
趣味としてのオーディオの世界には「対策する」という言葉があります。機器のセッティングを変更したり、音響調整のツールを追加したりすること一般を指すようです。
「対策」することで、確かに再生音が良くなったような気がすることはあります。ただ、プラシーボ効果とどう違うのか、といわれるとその境界はあいまいです。このブログで以前にも書いたことですが、私の場合、オーディオとはある側面からとらえれば、人為的に聴覚の錯覚を起こして楽しむホビーだと思っています。プラシーボ効果であろうが物理的効果であろうが、ある一定の心理状態を反復継続して喚起するのに有効であれば、どちらでも構わないと考えています。
よくわからないがとりあえずやっおこうという、いわば保険を掛けるような対策をすることもありますが、これは一番まずい「対策」だと思います。何がどう変化したのか、それを自分がどう評価するのか、ということを確認するステップを省略すべきではありません。これを怠って対策を重ねていくと、いつまでたっても「ひょっとしてなにも対策しない方が良かったのでは」という気持ちを払拭できなくなります。そういう心理状態で鳴らす音が、一点の曇りもなく心に響くわけがないと思います。

