司法書士田島掌のブログ

2010年02月12日

まやかし

お金の額を数えるときは、プラスの数字だけで数えるとは限りません。マイナスで数えるお金もあります。借金のことです。借金して10万円の現金が手元にあるとします。弁済期日が来れば、これに利息を付けて返すことになります。仮に、5000円の利息が発生するとすれば、10万5000円を支払ます。つまり、いま手元にある現金には、将来の支払義務10万5000円分がくっついているわけです。いうなれば「マイナス5000円のお金を握っている」のと同じです。

債務整理の相談の現場では、たまに「債務整理をすることによって、別のキャッシングができなくなるのは困る。余裕を持っていたい」という言葉を聞くことがあります。しかし、マイナスのお金を握りしめた状態を「余裕がある」とは言いません。

借金という行為そのものを否定するような意図はありません。個人が、事情に応じて必要な資金調達をすることもあるのは当然のことです。しかし、「余裕を持つため」の借金という表現は、実体を糊塗しています。まやかしというほかないと思います。

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