最高裁判所事務総局民事局監修「貸金業関係事件執務資料」
いわゆる過払い金返還請求の訴訟をする場合、理論の基礎を理解するために最も重要な書籍の一つとと思われるのが、最高裁判所事務総局民事局監修「貸金業関係事件執務資料」(法曹會)です。利息制限法と貸金業規制法に関する昭和の時代の重要判例を、裁判所の立場から明解に解説した書籍です。
これを読むと、現在の過払い金の理論の基礎的な方向性がよくわかると同時に、現在まで蓄積された裁判例の理解の仕方、その問題点などもわかります。過払い金返還請求訴訟の準備書面作成にも非常に役に立つ内容です。
同職から、貸金業者への反論のための問い合わせをよく受けますが、私は、この書籍の該当ページを案内することもあります。やや古い書籍ですが、現在でもその内容は全く古びておりません。現在の裁判実務は、まだこの書籍が照らし出した方向性を正しく貫徹していないのではないか、と思われる部分すらあります。債務整理に携わる法律実務家には、必携の書だと思います。
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