司法書士田島掌のブログ

2009年06月08日

過払金返還請求の判決分析の記事

司法書士向けの法律雑誌「市民と法」のNo.57・2009年6月号(民事法研究会)に、過払金返還請求訴訟に関する近時の最高裁判例を分析した記事が掲載されています。筆者は一橋大学教授の小野秀誠先生です。

記事中、「基本契約」という用語が判決を重ねるに従ってその抽象性を増してきており、現在は「継続して繰り返される金銭消費貸借取引」とほとんど同じ位置づけ、「いわば継続的金銭消費貸借取引が存在していること自体が『基本契約』であるに過ぎない」と述べています。また、「基本契約」の形式的要件具備が本質的問題でないことは「最判平成19年2月13日ですら認めている」と指摘しています。

また、「取引の終了」は、形式的な書面の交付ではなく、過払金について「原則として清算が完了していることが必要」と述べています。そのうえで、最判平成21年1月22日を含む一連の3つの判決が「『取引の終了』にのみふれ、曖昧な種々の概念(空白期間の長短や時間的接着など)を避けた趣旨を汲み取る必要がある」と指摘しています。

民事法研究会「定期刊行物」
http://www.minjiho.com/periodical.php

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