新たな自転車利用環境のあり方を考える懇談会のレポート
国土交通省の「新たな自転車利用環境のあり方を考える懇談会」が,自転車政策のあり方に関するレポートをまとめました。
新たな自転車利用環境のあり方を考える懇談会
「これからの自転車配慮型道路における道路空間の再構築に向けて
―歩行者と自転車の安心と安全を守るために―」
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/bicycle_environ/last.pdf
この中で,「自転車を考慮した道路空間の実現に向けた5つの取組」として,下記の提言がされています。
(1)走行空間の原則分離の推進
(2)駐輪対策の着実な実施
(3)ルールの周知徹底・マナーの向上
(4)戦略的整備の速やかな展開
(5)ネットワーク計画や目標を持った整備の促進
これらの取組みの基本的な考え方は,「人優先」「バランス(歩行者・自転車・自動車)」「パートナーシップ」だそうです。具体的には「これまで道路整備は自動車中心に進められてきたが,今後は自転車を交通体系の中で重要な交通手段の一つとして位置づけた上で,歩行者や自転車の通行を重視した,自転車配慮型道路,いわば強者が弱者に空間をゆずることを基本とした人優先の安全で快適な道づくりとして進めていく必要がある。」と指摘しています。
この考え方は,交通弱者が必ずしも優先されてこなかった道路行政の方向転換を迫るものとして,高く評価できると思います。今回の提言が,国土交通省の具体的政策にどのように活かされるのか,注目したいと思います。