司法書士田島掌のブログ

2006年09月06日

3649件

「アコム,アイフル,武富士,プロミス,三洋信販の消費者金融大手5社が,借り手の自殺によって平成17年度に3649件の生命保険金の支払いを受けていた」そうです。

「自殺で3649件回収」神戸新聞9月6日
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/0000104862.shtml

また,金融庁は貸金業者が本人の知らないまま借り手を生命保険に加入させる例が多いとして,明確に本人に同意を得るよう求めています。

「融資の『担保』生保加入 借り手の同意徹底 貸金業者に金融庁要請」北海道新聞8月25日
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060825&j=0024&k=200608246082
「消費者金融の債務者名義生保 知らずに加入多く」読売新聞8月25日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060825mh05.htm

一方,平成17年中の経済苦による自殺は7756人です。

「平成17年中における自殺の概要資料
 /補表7原因・動機別自殺者数の推移」警察庁生活安全局地域課
http://www.npa.go.jp/toukei/chiiki6/20060605.pdf

そこで,上記の3649件という数字を7756人で割ってみると,その割合は47%相当となります。なお,これは大手5社だけで計算しており,それ以外の貸金業者については不明です。

つまり大手5社が保険金の支払を受けた3649件は,その年の経済苦による自殺者の半数近くに相当する件数という計算になるわけです。もちろん,経済苦による自殺者がすべて上記5社の利用者と言い切れるわけではありません。しかし,3649件とはそれほど大きな数字である,ということはいえるでしょう。大手5社以外の貸金業者を計算に入れれば,割合はもっと上がると思われます。

3649件の自殺者には,それぞれ肉親があり,家族があります。残された方々は何千人,何万人にもなるでしょう。多重債務の実態は深刻です。「死ぬしかない」と追い詰められてしまう人が,いまも現実に居るのです。このような問題の解決を後退させることは,絶対に許されません。

借金で自殺する必要はありません。命より大事なお金などあり得ません。

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