司法書士田島掌のブログ

2006年08月18日

特例金利

貸金業者の出資法上限金利29.2%を利息制限法15-20%に一本化する法律改正について,金融庁は「1社だけ,元本10万円以内,1年以内に返済できる分」に限り特例金利29.2%を認めるとの例外措置を設ける方向で調整中だそうです。

「貸金上限金利,10万円まで特例29.2% 金融庁調整」朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0818/045.html

現在,消費者金融等の貸金業者が高金利を取得しているのは,貸金業規制法43条という例外規定の適用を主張しているからです。これは条件として,厳しい業務規制のクリアが必要です。しかし,最高裁がいくつもの判例で判断しているとおり,貸金業者の業務実態がこの要件をクリアしていることは,事実上無いと言っていい状態です。つまり例外的扱いを,その条件を満たすことなく常態化させてしまっているのが消費者金融等の貸金業者なのです。そして,これが多重債務問題を深刻化させている大きな原因となってきたのです。

消費者金融等の貸金業者に「特例」を認めれば,それが常態化して「特例」でなくなってしまう危険性があります。歴史がそれを証明しています。特例金利を設けることは認められません。

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