最高裁の平成18年3月7日決定
札幌高等裁判所は,年約1200%の違法金利にもとづく貸付と返済について起こされた裁判で,「貸金業法や出資法を全く無視する様態の行為であり,まさに無法な貸付と回収であって,もはや金銭消費貸借契約という法律構成すること自体が相当でない」と判断した判決を平成17年2月23日に出しました。この判決を不服として,貸金業者側が最高裁に上告していましたが,最高裁は平成18年3月7日,貸金業者側の上告を棄却する決定をしました。これにより,札幌高裁の判決は確定しました。
この判決は,「ヤミ金対策法」として出資法が改正され,ヤミ金の罰則規定を強化したときに起こされた議論に,司法が一つの回答を出したものとしても注目されます。すなわち,違法な超高金利の貸付や過酷な取立てがあったときに,「元本だけは法律上返さなくてはいけない」のか,という問題です。この問題に対し,札幌高裁は,貸金業者が借主に交付した金銭(元本)も「実体上保護に値しない」と判断しました。今回,この判断が最高裁によって確定されたということは,司法から行政へのメッセージとしても注目すべきものと思われます。

