権利証
個人の方から登記のご依頼をいただくと,たまに「これがうちの権利証です」といって登記簿謄本をお持ちになることがあります。登記簿謄本は法務局で誰でも取得できるものであって,権利証ではありません。いわゆる権利証とは,正しくは登記済証といい,その登記を受け付けた法務局の名前と受付年月日,受付番号が四角い枠の中に押印されているものです。普段あまり目にしない書類なので,間違えるのはわからなくもありません。
ところで平成17年3月からは,不動産登記法の改正により,そもそも権利証が発行されないオンライン指定庁という法務局が出現するようになりました。このような法務局では,登記識別情報というパスワードのような記号を,登記済証に代わるものとして受け取ることになります。こうなると,一般の方には訳がわからない,ということになるでしょう。
司法書士はこの制度を一般の方に説明し,周知をはかることで円滑な登記手続の実現に資するべき職能である,ということになるのでしょうが...。